大会レポート

2011.2.25

第45回記念青梅マラソン大会 男子30キロの部優勝者 ジェイソン・レムクール選手(米国)

「15年間走ってきたなかで、こんなにエキサイトしたレースは初めて」。

第45回青梅マラソン大会男子30キロの部で賞杯を手にしたジェイソン・レムクール選手(米国)は、2位の阿部豊幸(NTT西日本)との激闘を制した後、息を切らしながらそう話してくれました。

昨年のボストン・マラソンで9位の成績を残し、今大会には招待選手として出場したレムクール選手。日本でレースに出場するのは、今大会が初めてだったそうです。実際にコースを視察したのは大会前日の午前中。「想像以上に起伏が激しくタフなコースだった。ボストン・マラソンには心臓破りの坂があるが、青梅もそれに匹敵すると感じた」。

20キロ過ぎまで先頭集団を引っ張り、「坂が見えたので、そこで思いっきり(他の選手を)引離そうとスピードをあげた」と、ゲームを仕掛けたレムクール選手。そこからは、阿部選手との一騎打ち、ラスト150メートルは大会史に残る激闘を繰り広げました。結果は、レムクール選手が1時間32分8秒、阿部選手が1時間32分9秒と小差でした。

「彼(阿部選手)は非常に強い選手。��サムライスピリット�≠�持っている。そういう選手と走れて楽しかったし、本当にいい経験になったよ」。レムクール選手にとって、初めての青梅マラソン大会は、思い出に残るレースになったようです。

また、「青梅マラソンは観衆が素晴らしい。アメリカでは、陸上の大会に観衆が集まることはないので驚いた。青梅マラソンのように歴史ある大会がもっと盛り上がって、マラソンがもっと親しみやすいスポーツになってくれると嬉しい」と、青梅マラソン独特の雰囲気にも感激していました。

普段は売れっ子デザイナーとして、企業のロゴなどを手掛けているレムクール選手。「時間があったら、今大会の優勝の喜びを、デザインで表現してみようかな(笑)」と、ご機嫌な様子で話しているのも印象的でした。今後は、4月のロンドン・マラソンなどに出場し、来年1月に米テキサス州ヒューストンで行われる、ロンドン五輪の米国代表選考会に勝負をかけるそうです。今大会での素晴らしい経験を活かし、ぜひ、活躍してほしいですね!

ジェイソン・レムクール 1977年10月4日米ミズーリ州セントチャールズ生まれ。ドレーク大卒。米国代表歴は世界クロカンで’05年、世界ハーフでは’05、’08年。自己最高はマラソンが2時間12分24秒、ハーフは1時間2分32秒、1万メートルは28分26秒80。