大会レポート

2018.2.17

【第52回大会前日レポート】谷川真理さん、酒井俊幸監督からランナーに向けてタメになるアドバイス! AOSYNスペシャルトークショー

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大会前日に青梅市総合体育館で行なわれた開会式後、恒例の「AOSYNスペシャルトークショー」が開催されました。今回のゲストはスポーツコメンテーターの谷川真理さんと、東洋大学陸上競技部監督の酒井俊幸さん。おふたりとも青梅マラソンは過去に経験済み。そのため、青梅マラソンに向けてのタメになるトークの数々に、来場者は何度もうなずいていました。

まずは青梅マラソンの印象について聞かれたおふたり。谷川さんはこれに対して、「道路の道幅が狭いせいか、スピード感を感じます」とコメント。

「沿道の応援が切れ間もないぐらいで、本当に感動します。前半は上ったり下ったりですが、折り返してからはやや下りなので、ちょっと苦しくなってきても粘れる。私はどちらかというと下りが好きなのですが、前半の上りを楽にあがらないと、後半の下りもダメになってしまうので、上りはなるべく一定のリズムで走れると良いかもしれません」(谷川さん)

酒井さんも、「折り返した直後の下りでペースにのって、最後の平地で勝負をする」という走りを心がけていたそう。

「ただ、以前に走ったときには、もう寒い寒いと思うだけで、戦略もなく走っていました(笑)」(酒井さん)

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レースでは多くの選手がいる中で自分のペースで走るために、ときには気持ちを落ち着かせることが大切。その方法について谷川さんは、「深呼吸」だと答えています。鼻で思い切り吸って、口ではく。緊張すると呼吸が浅くなるので、これを繰り返すうちに、気持ちが静まってくるのだとか。

また、気持ちを落ち着かせるためには、自分のホームグラウンドの景色をコースに重ねるのも良いそう。1周5キロの皇居をいつも走っているのであれば、走り出して5キロ地点を通過したら、皇居でのスタート地点の景色を思い浮かべるのだとか。

ホームグラウンドを思い浮かべるという方法については、酒井さんも大きくうなずいていました。ただ、気持ちを抑えすぎるのも良くないそう。

「ひるんでしまうとダメなので、交感神経、自律神経のバランスが大切です。お前の出番だぞ、よしやるぞという気分になれるか、それともやるしかないんだぞと思うのか。気の持ち方でかなり違ってきます」(酒井さん)

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大会が迫るなかで、コンディションを整えるためには何をすべきか? これについて、谷川さんは食事の重要性をあげました。

「炭水化物を多めに、消化の良いものを食べます。ご飯をいつも一膳のところを二膳にする、食後にバナナやゼリーを食べるなどですね。緊張すると胃腸の状態が厳しくなるので、生ものは避けた方がいいです。あとは、明日走るのであれば、今から余計なエネルギーを使わないように、早めに休むことが大事です」(谷川さん)

一方、酒井さんも東洋大学の監督として、選手に食事の大切さを指導しているそう。箱根駅伝では5区や9区、10区がちょうどお昼時になるのだとか。ただ、試合の日は緊張してあまり食べられません。朝食をしっかりとればいいと思うかもしれませんが、一度の食事で食べ過ぎるのもよくないのだとか。そのため、レース2時間前に中間食をとり、水ではなくスポーツドリンクを飲むのが良いそうです。

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トークショーの終盤では、来場者からおふたりに向けてさまざまな質問が寄せられました。かつて青梅マラソンを走ったときのエピソードを聞かれた際には、谷川さんは「高校2年生のときに10キロの部を走って、4位になりました」とコメント。その頃から青梅マラソンは大盛況で、こんな大会もあるんだと感動したそう。一方、酒井さんは歴代の名選手が走っているので、その中で自分がどういうタイムで走れるかが、大事な経験になると話しました。

また、東洋大学の選手が箱根駅伝でシューズをそろえていたことについて、酒井さんは「陸王のドラマもあったので、シューズに関心が集まっている」とコメント。

「今までは薄底のシューズだけでしたが、何年か前から厚底のシューズの話を聞いていたので、今回使いました。選手も足の形が変わってきていて、かかとより前で接地する子が増えています。そういう子が薄底のシューズで箱根の長い距離を走るとダメージが大きい。厚底の方が疲労を残さないですね」(酒井さん)

最後はまっすぐ足を出せるよう、ランニングフォームの改善に悩んでいる男性からの質問が。この方はつま先の母指球を意識して走っているそうで、これについて谷川さんは「正解」だと答えました。また、酒井さんは人によって走り方も違えば、骨格も違うので、その走りを生かすことが大前提ともアドバイス。

「フィジカルで接地の感覚を変えるのもいいですが、骨盤の向きも大事です。後傾になると足が開きやすくなりますが、これを防ぐにはインナーマッスル、とくに腹筋系を鍛えることが大切。身体の中の筋肉を鍛えると重心が変わり、内転筋を使えるようになるので、足がまっすぐ出やすくなると思います」(酒井さん)

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ほかにも、普段の食事についての話なども盛り上がり、アスリートの方々にとって非常にタメになる1時間でした。皆さんも明日の大会、そして今後の大会に向けて、食事やコンディションのコントロールなどを試してみてはいかがでしょうか。